馬の雑記

Twitter→@coolmeganeJA MTGを主体とした趣味についてつらつらと。

MF横浜参戦記

(注:長文です。お時間のある時にどうぞ。)

馬は悩んでいた。

かの複雑怪奇なモダン環境を読み解いて、勝つのに最適なヴァラクートデッキを延々と模索していた。

馬は無知である。そのくせ冒険家である。
知識のない付け焼刃でレシピを読み解き、全方位に強みを持とうと追い求める。
ゲームである以上、完全無欠の最強デッキなど存在しえないのだが、それでも馬は追い続ける。最強を。

「今のモダン環境はIzzet Phoenix,Azorius Control, The Rock, Tron, Dredge, Humans, Grixis Death’s Shadow, Amulet Titan, Burn, Affinity, Hardened Scales…」
「環境が多様すぎて対策が定まり切らん!もういい!自分が嫌だと思うものだけメタる!」

馬の咆哮が夜の横浜に木霊した。



ちなみに、一緒に行った友人はそんな俺を尻目にス○ブラに興じていた。


そして当日午前1時に提出したリストが以下になる。


メイン 60

土地 27
山 7
森 2
燃えがらの林間地 3
踏み鳴らされる地 4
溶鉄の先鋒、ヴァラクート 4
吹きさらしの荒野 3
樹木茂る山麓 4

クリーチャー 13
原始のタイタン 4
桜族の長老 4
強情なベイロス 2
不屈の追跡者 1
再利用の賢者 1
漁る軟泥 1

スペル 20
炎の斬りつけ 2
遥か見 2
明日への探索 4
神々の憤怒 2
風景の変容 4
大祖始の遺産 3
反逆の先導者、チャンドラ 1
仕組まれた爆薬 1
召喚士の契約 1


サイド 15
燃えがら蔦 2
削剥 1
自然の要求 1
破滅の刻 1
神々の憤怒 1
カメレオンの巨像 1
殺戮の暴君 1
虚空の杯 2
墓掘りの檻 1
真髄の針 1
減衰球 2
魔女封じの宝珠 1


 横浜入り直前までTitan Breach型、Omen Shift型、Khalni Heart型にするか、それともR/G Valakutにするか、はたまた色を足して全方位喧嘩外交を取るか、熟考に熟考を重ねた(熟考/Think Twice)。

 それぞれ利点と欠点があり、そのどれもが環境に適していると思い、またそのどれもが環境に適していない。と思った。つまり脳内がテンパっているのである。あわあわしているのである。

 Titan Breach型は、猿人の指導霊を用いて5マナを3ターン目に用意し、タイタンやエムラクール、その他多くの優良ファッティを用いて速やかにゲームに決着をつけるデッキで、Valakutを用いたデッキの中では最速を誇り、相手のライフと場を更地にすることが可能である。しかしながら、土地を揃える+裂け目の突破とファッティクリーチャーを手札に揃えるという条件が必要なため、極端にハンデスに弱く、またマリガンにも弱い超繊細なデッキで、また、コンボが始動できなかった場合に殆ど妨害ができずに相手に勝利を易々と渡してしまうリスキーなデッキであると感じた。

 現環境にはハンデスを有するThe Rock, Tron, Grixis Death’s Shadow等がおり、また、極端な高速環境であるため、3ターンキルが現実的に可能でもなお間に合わない可能性があり、使用を断念した。

 Omen Shift型は、虹色の前兆を用いたValakutデッキであり、土地6枚から噴火が可能で、相手を狩りに行ける土地の枚数が少なく、1撃で最大72点を刈り取れるレンジの広さがあるデッキである。しかしながら、虹色の前兆を置くタイミングがシビアであり、これも妨害アクションが多くないのと、そもそものレンジがオーバーキルであり、現環境ではここまでの火力は必要としない。

 Khalni Heart型は、カルニの心臓の探検を用い、4ターン目の噴火を堅実に行う構成となっており、土地破壊にも耐性がある。しかしながら、エンチャントを用いる関係上、サイドボード後に置物破壊を搭載され、こちらのサイドボードである置物群がついでの様に割られてしまうという問題があり、サイドボード後がより難しくなってしまう。

 色を足す方向性は、青、黒、白の順で多く見受けられるが、そもそも土地基盤が相当シビアであり、2度の噴火分の土地を有していなければ安心できない俺としては、色を足すことによる事故と土地破壊によるマナの崩壊を危険視し、色を足す方向性を諦めた。実は初めて出たグランプリ神戸2017にてValakutを駆った際は、黒をタッチしたTitan Breachを使い、二日目に残ったのだが、その当時は今よりもヴァラクート全般の立ち位置の良さとヴァラクート自体の情報の薄さが相まって、適切な対応ができるプレイヤーが多くなかったこともあり(ヴァラクートの誘発条件を正確に知るプレイヤーがそこまで多いわけではなかった)、二日目に密入国を果たしたのだが、現在では適切なプレイをされることが増え、そういったラッキーを拾うことは難しいと判断した。

 以上を踏まえ、R/G Valakutを用いるのが適切と判断し、そのためのパーツのみをスーツケースに詰め込み、19日に横浜へと向かったのであった。


 ここまで、自分の思考を振り返ると、「相手の妨害をしないと今は勝てない。自分の速度を上げるよりも相手の速度を下げて勝つべき。」という思考に支配されていたように思う。

 そして序文の通り、採用カードをギリギリまで熟考していた。

 昨今のモダン環境は青白コントロールをはじめ、人間等の部族デッキ、トロンといった、所謂「モダンの開始ライフは17点から」という概念が消失しつつあり、また、その他のデッキもグリクシスシャドウを除けばフェッチからショックインという王道の動きを残しているのはBG系のデッキ程度となりつつある。

 ヴァラクートは元来、20点を削るデッキではなく、「フェッチショックしとるから相手17点やろ?ほな土地7枚並べて18点や!これでワイの勝ちや!」を地で行くデッキである。これは由々しき事態である。

 そこで、少しでも早い段階から相手のライフを18点以下に落とし込むことが重要と判断し、メインの生物を増量。メイン投入される生物の枠はいくつか検討できたが、ヴァラクートが根本的に対処の難しいヴェールのリリアナに耐性のある強情なベイロス、膠着状態を勝機に繋げれる不屈の追跡者、血染めの月のようなエンチャントがメインから入っているとそのままサイド後も負けかねないので再利用の賢者、墓地対策兼こちらへの外科的摘出を睨むための漁る軟泥をメイン投入。

 スペルに関して、赤緑の除去スペルは種々あるが、1マナで対応力が一番高いのが炎の斬りつけであり、赤の1マナ基本レンジを超えるカードはこれを差し置いてほかにはない。稲妻は、クロックという意味での価値はあるのだが、除去できる範囲が下がり、かつ後述する虚空の杯との相性が極端に悪く、炎の斬りつけよりもバリューが低いと判断し、今回は採用を見送った。

 大祖始の遺産は、メインの墓地対策であるとともに、外科的摘出対策でもある。また、腐ってもキャントリップがあるため、ドローの少ないヴァラクートとしては頼らざるを得ないカードである。

 反逆の先導者、チャンドラは能力全てがヴァラクートに噛み合ってるようで噛み合っていないが、そもそものカードパワーが高く、ヴァラクートが止まってしまった際のフィニッシャーにもなり、マナ域も空きがちな4マナを埋める存在であるので採用。

 仕組まれた爆薬は言わずもがなアグロ対策であり、低マナ域の置物にも対応できるオールレンジの除去として採用。

 以上、メインボードに対する考えである。メインからサイドボードを取っているようなものが、コンボデッキなので、そんなものであろう。

 サイドボードであるが、置物破壊として燃えがら蔦、自然の要求、削剥をイン。スペルと置物での置物破壊、と一応の差別化をしてある。また、削剥はクリーチャー除去としても使えるので隙なくサイドインできる。

 全除去枠としては神々の憤怒の追加と、破滅の刻をピック。翻弄する魔導士の指定除けの意味と、呪文捕らえの範囲の外からの奇襲性を加味して破滅の刻を入れた。

 追加の生物枠として、カメレオンの巨像と殺戮の暴君をイン。死の影やアンコウに強く出れるカメレオンの巨像、青に対する最終兵器たる殺戮の暴君と、自分の苦手な相手に対抗できる枠をチョイス。

 妨害枠として虚空の杯・墓掘りの檻 ・減衰球・真髄の針・魔女封じの宝珠をサイドボードに。虚空の杯はアグロやコンボに対する回答として、墓堀りの檻はドルイドコンボ系や、にっくき瞬唱の魔導士対策として、減衰球はトロンやアミュレットへの妨害として、真髄の針は廃墟の地、幽霊街、PW対策として、魔女封じの宝珠はミラーマッチやハンデス、火力対策としてそれぞれ投入。75枚が完成した瞬間である。

 大急ぎでリストを提出しながら、じっくり反芻して勝利のビジョンを確かめる。いける。勝てる。そう信じ、眠りについた。さぁ2年ぶりのグランプリ本戦である。
 





MF横浜 本戦 対戦記録

1戦目

1G目 先手番。 こちらの明日への探索という初動に対してお相手が、「そのデッキか~苦手なんですよねぇ・・・どうしよう・・・」という声を漏らす。油断せずお相手の初動を見守る。お相手はタップインスタート。土地を確認する。≪天界の列柱≫である。

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 頭を抱えつつ、「俺もそのデッキは苦手ですねぇ・・・」と返す。お互い土地を置く。桜族の長老が果敢にプレイヤーのライフを削る。相手のライフは18だ。もう攻める頃合いだろう、そう思い、長老を贄に山を戦場へ送り出す。しかしながらフィニッシャーが一向に手札に来ず、気づけば相手の場にはジェイス、テフェリーがおり、テフェリーは既に奥義を構えた状態である。ようやく来た原始のタイタンで伺いを立てるも、当然カウンター。そのままテフェリーの奥義を食らい、勝ち目がないと判断。投了。

2G目 再び先手番。 除去を最大限減らし、殺戮の暴君、墓堀りの檻、真髄の針を投入。3t目に強情なベイロスが着地し、着々と相手ライフを減らし、残り1点まで追い詰める。しかし、またもジェイス、テフェリー、今度はギデオンまで駆けつけ、こちらの攻め手とライフをじわじわと削ってゆく。ベイロスは流刑の憂き目に合い、タイタンも打ち消され、ヴァラクートはバウンスされ、攻撃が通ることがなく、とうとうテフェリーの奥義に到達されてしまう。ここで俺は少々の考慮に入る。「現在こちらの土地は10枚、テフェリーの奥義が入ってもまだ7枚残るはず。殺戮の暴君さえ通ればまだ勝機はある。投了するのは今ではない。」とトップデッキに期待をかける。だが、無情にも引いたのは森であり、その瞬間、勝ち目を失った俺はデッキを畳むことに決めた。

青白コントロール ××

2戦目

1G目 後手番。 先程の青白コントロールとの試合を振り返り、長老を贄に捧げるターンを先送りにすべきだったかどうかについての自問自答をしているうちに2戦目である。お相手は汚染された三角州を此方のエンドフェイズに切り、湿った墓をタップイン。少なくともグリクシスシャドウの動きではない。が、より一層寒気がした。もしや、と思い、遥か見を唱える。お相手はここぞとばかりに≪書庫の罠≫を投げてきた。 

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 まごうことなく青黒LOである。
 「GP終わったな・・・」と早々にあきらめムードに入ってしまう。青黒LOとは既に格付けが済んでいる。1:9でこちらが圧倒的に不利だ。デッキ全部がコンボパーツのようなこのデッキに対して、ライブラリー破壊はぶっ刺さりである。エムラクールを擁するTitan Breachならまだ対応のしようがあるが、あいにく今日は純正R/Gヴァラクート。そんなシークレットテクはない。
 お相手の≪躁の書記官≫を確認しつつ、無情に減っていくライブラリーを横目に、投了を宣言する。

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2G目 先手番。 除去を少しだけ減らし、魔女封じの宝珠、墓堀りの檻、虚空の杯、生物、燃えがら蔦、自然の要求を入れ、ライブラリーを65枚に増やし、初手を祈る。魔女封じの宝珠がある。即決キープだ。しかしながら、3枚目の土地を置いた時点で手札から土地が枯れてしまった。このまま土地を引けない状況が続けば、順当にライブラリー破壊呪文を打たれ、負けてしまう。しかしながらランパンスペルを唱えれば書庫の罠が飛んでくる…。俺は勝負を急いだ。遥か見を唱える。それに対するお相手の反応は≪書庫の罠≫≪書庫の罠≫≪任務説明≫≪fb書庫の罠≫であった。

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 どうしろと。

 一瞬にしてライブラリーが半数以上墓地に送られ、クロックとして期待していた原始のタイタンも全て落ちてしまった。項垂れる俺。どうしようもないが、まだ僅かに生物は山札に残っている。魔女封じの宝珠を置いてしまえば、まだ勝機は残っている。俺は弱々しく宝珠の加護を求めた。
 しかし現実は残酷である。
 「あ、≪催眠の宝珠≫置きます。」

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・・・僅かな勝機も消えうせた瞬間である。こちらのクロックよりも催眠の宝珠の削るスピードのほうが早い。勝てない。そっとライブラリーの上に手を置いた。

青黒LO ××

3戦目

1G目 後手番。 もう後がない。勝ち残るには、マッチポイント18点を8戦目終了時点で求められるため、6-2以上の成績でなければならない。ここで負けてしまってはいけない、と奮起し、3戦目へ向かう。卓は既にピリピリしたムードで包まれており、より気が引き締まる。
 お相手のワンマリ後の初動は草生した墓からのハンデス。The Rockないしジャンドであると仮定できた。お相手はタルモゴイフを戦場へ送り出し、稲妻、ヴェールのリリアナでさらにこちらを締め上げにかかるが、奇跡的に土地とランパンが間に合い、フィニッシュ。

2G目 後手番。 殴り合いにはならないので不屈の追跡者と、こちらに致命的である血染めの月の採用率は低いので再利用の賢者を抜き、真髄の針とカメレオンの巨像をサイドイン。マリガンチェック。真髄の針を初手に引く。少々悩み、ハンデスを受けないと思い初動を優先。無事2t目に針を設置、指定はヴェールのリリアナとした。相手の顔が曇る。どうやら当たったようだ。後は負けないように大爆発の魔導士をケアしながら基本土地重視で並べるだけだ。お相手、タルモゴイフで攻め立ててくるが、大祖始の遺産が間に合い、タルモゴイフの打点を下げながら、土地とランパンを連打。そのまま強情なベイロスとタイタンが間に合い、勝利。

ジャンド ○○

首の皮がつながり、少し余裕が出てきた。それまではラウンドごとに喉が締め付けられるほど乾き、友人と「勝てない・・・無理・・・やばい・・・」というグロッキーな会話を紡いでいたが、久しぶりに再会した大学の同期(MTGはそこまで知らない)にMark Tedin先生のエムラクールのサインを頼むこともできた。しかし、依然として崖っぷちなので、気を引き締める。さぁ対戦だ。

4戦目

1G目 先手番。 相手は山から僧院の速槍をプレイ。バーンである。不利なマッチではあるが、メインから強情なベイロスと仕組まれた爆薬を仕込んであるのでそこまで辛くは感じなかった。炎の斬りつけを即座に速槍に当て、長期戦を睨む。稲妻のらせんで回復されるも、桜族の長老の渾身のパンチと強情なベイロスの攻撃により、相手ライフを18に。時間稼ぎが間に合ってしまえば、それはもうこちらの独壇場である。風景の変容を唱えるや否や、お相手がサイドボードに移る。

2G目 後手番。 サイドボードに少々悩む。虚空の杯、魔女封じの宝珠、は間違いなく入れるつもりだったが、燃えがら蔦を入れるかどうか。お相手の構築と引き次第で刺さり具合が大きく違う1枚である。大歓楽の幻霊が見えればインしてもよいのだが、1G目では見えず。悩んだ末、不屈の追跡者、大祖始の遺産、風景の変容を減量。お相手の立ち上がりは先ほどと同じく山から僧院の速槍。こちらも同じく炎の斬りつけで返す。次のターンのお相手のアクションはなし。どうやら1ランドキープに出たようだ。少し遅れて出たゴブリンの先達がこちらに土地を渡しつつ、それを桜族の長老でキャッチしてさらに土地を確保。お相手が土地1枚の中、俺は土地を6枚揃え、タイタンによってヴァラクートの噴火が始まった。それを見たお相手は投了。

ボロスバーン ○○

感想戦でお相手のハンドを確認すると、頭蓋割り、稲妻のらせん、ボロスの魔除け、といった2マナ域と流刑への道であった。土地が1枚でも伸びていたらほぼ負けていたと思うと、やはりバーン相手は辛い。そう感じた。

5戦目

1G目 後手番。 負け負けから勝ち勝ちと拾い、まだまだ舞える、と意気込んだ。が、こちらの初手は山1枚。これでは始められない。仕方なくマリガンしたところ、やはり動けるハンドではない。ずるずるとダブマリしてしまう。再利用の賢者と土地のようなキープをしてお相手の初動を見る。平地を置くのみ。現代モダンにおいて珍しい立ち上がりがあるものだ、と思いながら土地をセットして手番を返そうとすると、お相手は≪排斥≫をサイクリング。・・・排斥をサイクリング・・・?
 不穏な雰囲気が卓を囲んだ。続く相手のターン。プレイされたのは、≪安らかなる眠り≫!訳が分からないながらも並み居るデッキでないことは理解できた。それもおそらくコンボデッキであろうことを。急がねばなるまいことを考えつつ、なおも土地を置いてターンを返す。
 次のお相手の動きは≪牧歌的な教示者≫、サーチされたカードは≪終わり無き地平線≫!!お相手に「ちょっといいですか」と断りを入れる。「白単ベルチャーだコレ!」俺の叫びが会場に轟く。
 心の奥底から笑いがこみ上げてくる。これだからグランプリはたまらない。こんな面白いデッキを持ち込んでくるだなんて。ましてや2-2のラインにいることができるなんて。なんて素晴らしいことだ。しばし感慨に耽った。そして『あ、終わりなき地平線は割らなきゃだめだ。7マナ到達されたら即死する。』と真面目に思考に入った。再利用の賢者が初手に来たことをありがたく感じつつ、終わりなき地平線を返しのターンで破壊する。とはいえ、ベルチャーが場に置かれたら次のターン死ぬことには変わりがない。即座にコンボを決めないと此方が負けてしまう。幸い、その後の土地の伸びと引きが良く、ベルチャーを見ることなく風景の変容を唱えることができた。

2G目 後手番。 未だ珍しいデッキを見た興奮が抑えられぬ中、サイドボードに苦心する。環境デッキ等は、概ね対峙した時点で60~70枚ほどは相手のリストが見えるものだが、ローグデッキはデッキコンセプトを知っていたところで、精々40枚ほどしか確実にわかるものがない。白単色であるがゆえに、ある程度想定はできるサイドボードはあるが、確証があるものではない。これがローグの強みである。
 しかしながら、白単ベルチャーはデッキコンセプト上、エンチャントとアーティファクトが必須なコンボデッキであり、かつ、4マナ+3マナがコンボ始動に必要である。がゆえに、此方は終わりなき地平線への対処がマストであることは理解している。
 また、ベルチャー本体は7マナに達してしまうと対処のしようがないので、削剥のサイドインは冗長であると判断。最優先は終わりなき地平線への対処、その次は白お得意の妨害エンチャントへの対処と考えた。除去をありったけ抜いてその枠に魔女封じの宝珠、燃えがら蔦、即クロックになれるカメレオンの巨像を投入。
 お相手は亡霊の牢獄2枚から神聖の力線、終わりなき地平線を貼り付け、対処を迫る。こちらも負けじと燃えがら蔦2枚で応戦。燃えがら蔦の使い所を考える。亡霊の牢獄はほぼほぼ無視出来る。タイタンで殴れてる時点でほぼ勝ちだ。かつ終わりなき地平線は絶対割る、ので神聖の力線を早めに割るかどうかだけ考える。が、力線の次弾装填されたら勝てないな、と思って力線を破壊し、コンボに移る。無事焼き切って勝利。今回の試合の中で一番面白かった試合だった。

白単ベルチャー ○○

6戦目

1G目 先手番。 負け負け勝ち勝ち勝ち、と続き、存外このまま6-2までいけるやも知れん、と思いつつ6戦目の卓へ。気づけば1100番台に落ち込んでいたテーブル番号も500番台まで復活し、楽観視していた。そして、次のお相手の初動は稲妻。本日二回目のバーン戦である。先ほど勝ったことは記憶に新しい。そしてお相手の動きが毎ターン1スペルのみ。その動きであれば先にタイタンがお相手のライフを焼き切るほうが早い。より肩の力が抜けていくのを感じた。

2G目 後手番。 先だってのバーン戦と同じサイドボーディングを行い、できるだけ土地からのダメージを抑えつつ展開。しかしながらお相手は流れるようなバーンスペルの連続。一切クリーチャーが場に出ること無く俺のライフを刈り取っていく。既にこちらのライフは3。土地も揃わず、相手にほとんど触ることもできず、またお相手のハンドは残っている。スケシ聴牌まで場を整えてターンを返して祈るも、当然返しは火力アリ。デッキを畳む以外のレスポンスはできなかった。

3G目。 先手番。 強情なベイロスをキープ。3T目にベイロスを繰り出す。しかしお相手も1枚では止まらない。続けざまにこちらに火力を投げつけてくる。あっという間に此方のライフは2だ。しかし、あちらはハンドが切れて、こちらに千載一遇のチャンス。トップデッキを信じてドロー。が、しかしダメ・・・。ここからはお相手がずっと土地を引くことを祈るしかない、とターンを返すが、当然そんなことはなく、きっちり火力を引かれて負け。

ボロスバーン ○××

 3-3。この時点で二日目の目が消えてしまった。
 後はどうしたものか、と友人と話し合う。
 馬「どうする?お互いしょにぽんやし、早めに切り上げる?」
 友「せやな、飲みに行こうぜ!」
 馬「せやせや、夜の横浜に消えるぞ!」
 馬「あ、でもごめん、エムラクールのサイン、まだできてないみたいやし、もう一戦やってから行こうや。」

 ということで、もう一戦やることに。

7戦目

1G目。 後手番。 フレンドリーリーグの様相を呈して、周りは和気藹々としている。俺もそれに倣い、ゆったりとしたペースで爆薬と炎の斬りつけをキープ。お相手は金属海の沿岸から霊廟の放浪者を戦場へ。スピリットだ。続けざまにお相手はもう一体の放浪者と至高の幻影でこちらに殴りかかってくる。至高の幻影を炎の斬りつけで除去し、霊廟の放浪者’sを爆薬起動で流しつつ、次のドローは値千金の漁る軟泥!即座にプレイし、お相手の墓地を食べながら成長とライフゲイン。5まで減っていたライフを7に戻し、時間稼ぎを図る。お相手も続けざまに呪文捕らえを唱えながら攻めの姿勢を崩さないが、上からきっちりとタイタンがエントリー。お相手はそっとデッキを畳んだ。

2G目。 再度後手番。不屈の追跡者、大祖始の遺産を抜き、削剥、真髄の針、殺戮の暴君、そして必殺の破滅の刻をサイドイン。しかし今度は延命手段がなかった。否応なしに降りかかってくる霊たち。そして全除去を強いる聖トラフトの霊。回答は、、、引けず。天使と霊が殴ってくるのを指を咥えてみているしかできなかった。

3G目。 先手番。ライフレースを有利にするベイロスを順当に出し、ライフを21に。お相手の果敢な攻めにより、ライフが7まで落ち込むも、タイタンによる噴火祭りが炸裂。一度にお相手のライフをもぎ取った。

バントスピリット ○×〇


 総合成績は4-3。これにて俺のMF横浜は終了した。

 反省点があるとすれば、青白コントロールへのガードが甘かったことだろう。ヴァラクートデッキは元来コントロールに滅法強いと言われ続けてきた。その理由としては、対策しづらい土地からの打点であること、更には土地さえ置き続けていれば勝手に相手のライフが消し飛ぶということ。しかし、今の青白コントロールはどちらも許してくれない。土地対策として廃墟の地は4枚積みがスタンダードであり、土地を置いて脅威を叩きつけても確実にカウンターで弾かれ、PWによる脅威返しができるようになっている。特に、ドミナリアの英雄、テフェリーは非常に辛いカードで、出した返しにカウンターを打てるようになり、その後の5という忠誠度は更地に出てしまえばほぼほぼ削ることは不可能で、奥義の8までの到達ターンは、青白コントロールにとって最早苦でもなんでもなく耐えることが可能。そして、奥義に到達されればこちらの土地が一方的に飛んでいくだけとなり、一切そこから勝ちの目はない。相性差は完全にひっくり返ってしまっている。そこに気づけばよりサイドボードも練れたかもしれない、というのは反省点である。

 時代の移り変わりを感じるとともに、また新しいカードも公開されている。≪樹上の草食獣≫。この獣は手札を即座に消し飛ばす代わりに、新たな地平線のマナジャンプを可能とする。このカードの登場により、キルターンが0.5~1.0ターン短縮できるようになった。≪夢を引き裂く者、アショク≫のような更なる脅威は増えてしまったが、まだこのデッキに希望はある。これからも俺はヴァラクートを使い続けたいと思う。

 以上、MF横浜、馬の参戦記である。

 長文、駄文にお付き合いいただき、感謝します。

 今後ともよしなに。